近年のデジタルシネマの特徴として、より多くの情報量を扱うことが可能となってきています。制作側も従来からの既成概念にとらわれること無く、より積極的なサラウンド音声や効果音を演出として取り入れてきており、サラウンドスピーカーにも従来より高いパフォーマンスが要求されています。
ボーズはこの点を重視し、再生機器のワイドレンジ化、劇場内の音場の均一化、伝送ロスの解消を実現しました。記録媒体、再生機器の限界から解放され、製作時の音質のままでの上映が可能となり、制作者の意図に沿った正確なサラウンド効果をシアターの全利用者に提供できます。また、劇場を利用した顧客の満足度も効果的に高めることができます。
ボーズは数々の音場設計に活用した音響理論を映画館の音場設計に展開し、新しい時代のデジタルシネマに対応する映画館用音響システム「ボーズ・プレミエ・シアター・サウンドシステム」を開発しました。
このボーズの映画館用音響システムはT-JOY社が、日本初の本格的デジタル・シネマ・コンプレックスとして2000年12月にオープンした「T・ジョイ東広島」の全室6スクリーンに設置され、これまでの映画館音響システムでは得ることができなかった音場再生に成功しました。また、1000席を超える大型シアターから100席程度のミニシアターまで対応するカスタマイズプランにより、優れた音響効果と高いコストパフォーマンスを提供します。
映画ソースの音声出力からスピーカー近傍に設置されたアンプの音声入力までの間は全てデジタル領域で信号処理することで、AD/DA変換による音質劣化をゼロにできます。また、映写室からアンプ室までの音声伝送もEthernetにて8chデジタルパケットで伝送するので、音質の劣化を防ぎノイズレスを実現することができます。
さらに、従来の1:1(フィルムの載せ換えで番組を変更)から、多:多(ワンタッチで複数のデジタルソースを、複数のスクリーンに伝送可能)の番組切り替えを実現することもできます。
将来の完成系を基本に、予算に応じた最適なシステムをプランニングします。専用ウーファーによるサラウンドスピーカーのワイドレンジ化、オーディオネットワークによるコントロールルームからの音声集中配信など、シアターの規模(席数)に合わせて、組み合わせる機材のバリエーションをカスタマイズできます。
コンピューターシミュレーションを活用し、建築・電気両面から確かな裏付けのシステム設計を行います。また、最新の計測システムの活用と心理音響学に基づき、空間偏差、チャンネルバランス、伝達関数を考慮しながら、映画の再生音として違和感の無い、聴感印象を重視した自然な音づくりを行います。