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「音と睡眠」に関する研究概要

公開日: 2020年8月

背景

健康に良質な睡眠は欠かせません。睡眠が足りないと、生活の質が低下し、高血圧、糖尿病、うつ病、肥満、脳血管疾患などの発病リスクが高くなります。十分な睡眠を取ることで、死亡リスクの低下につながります。睡眠不足の一般的な原因の1つに周囲のノイズがあり、睡眠の質を大幅に低下させることがわかっています。

研究の目的

「音と睡眠」に関する研究の目的は、健康をサポートする機器「Bose noise-masking sleepbuds™」の有効性を評価することです。この研究では、周囲のノイズが原因で眠りにくいと感じている被検者に対して、外部ノイズを遮断し(パッシブブロック)、ヒーリングサウンドでリラックスさせることで、睡眠の質が改善するかどうかを検証します。

手法

使用前と使用後を比較して有効性を検証する研究に55人の被検者が参加しました。被検者の年齢は21~65歳で、いずれも軽~中程度の眠りの浅さを自覚しており、周囲のノイズが原因で「寝付きが悪い」または「途中で目が覚める」と回答しています。なお、睡眠時無呼吸症候群、下肢静止不能症候群、概日リズム障害など、睡眠障害の既往歴がある被検者、またはカフェイン、アルコール、タバコの過度の消費など、睡眠障害に関連する行動や症状を報告している被検者、あるいは痛み、夜間頻尿、更年期の症状による睡眠障害を訴えている被検者は、研究から除外しています。睡眠に関する客観的なデータとして、Sleep Profiler™在宅モニターで収集したEEGデータを利用し、主観的なデータとして、毎日および終了後に被検者にアンケートを実施しました。被験者は10日間連続で研究に参加し、最初の3日間は準備期間、続く4日間は調整期間、最後の3日間は測定期間となります。取得できなかったデータや無効なデータを調整し、50人の被検者を分析対象としました。一次転帰は、統計的有意性に基づき、混合効果線形回帰と各被検者の変量切片を使用して分析し、反復測定を時系列にモデル化しました。二次転帰の予備分析は、記述統計学を用いて行い、装着時間別に階層化しました。

結果

Bose noise-masking sleepbuds™を使用すると、Sleep Profiler™の客観的なデータとアンケート結果の主観的なデータの両方で、入眠時間の短縮効果が認められました。Bose noise-masking sleepbuds™使用時に測定した入眠時間と準備期間のデータを比較すると、32.5%の短縮が認められました(p<0.001、平均差7.5分、95%の信頼区間で22.3%~41.4%の短縮)。客観的に測定した入眠時間では、13.3%の短縮が認められました(p=0.030、平均差2.7分、95%の信頼区間 = 1.4%~23.8%の短縮)。Bose noise-masking sleepbuds™を使用した場合、覚醒時間と覚醒回数についても減少しましたが、統計的に有意な差異は認められませんでした。Bose noise-masking sleepbuds™使用時の合計睡眠時間は平均して減少しています。多くの被検者が「Bose noise-masking sleepbuds™装着時にリラックス効果が高まり、睡眠効果が改善された」と回答し、「Bose noise-masking sleepbuds™は周辺ノイズの遮断に効果的だ」とすべての被検者が回答しました。また、86%の人が「寝付きが良くなった」、76%の人が「ずっと眠れるようになった」、82%の人が「睡眠の質が全体的に改善された」と回答しました。

結論

Bose noise-masking sleepbuds™を使用すると、客観的なデータと主観的なデータの両方で、入眠時間の短縮が認められました。さらに、Bose noise-masking sleepbuds™未使用時と比べて、優れた睡眠効果が得られたと報告されています。これらの結果から、騒がしい環境でBose noise-masking sleepbuds™を使用すると、睡眠の質を改善できることが実証されました。

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